m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)
特長 | 注意点 |
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単位 |
ASTM 試験方法 |
ポリフェニレンエーテル |
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透明性 |
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不透明 |
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比重 |
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D792 |
1.04~1.09 |
引張強さ | MPa |
D638 |
66 |
破断時伸び | % |
D638 |
60 |
引張弾性率 | MPa |
D638 |
2500~2600 |
圧縮強さ | MPa |
D695 |
113 |
曲げ強さ | MPa |
D790 |
66~96 |
衝撃強さ アイゾットノッチ | J/m |
D256 |
267 |
硬さ ロックウェル |
|
D785 |
R118~120 |
硬さ ショア |
|
D2583 |
― |
線膨張率 | ×10-5/℃ |
D696 |
3.3~7.7 |
荷重撓み温度1.81MPa | ℃ |
D648 |
107~149 |
耐熱温度(連続) | ℃ |
||
体積抵抗率 | Ω・cm |
D257 |
>1017 |
絶縁破壊強さ | kV/mm |
D149 |
20~28 |
誘電率 | 106Hz |
D150 |
2.6 |
耐アーク性 | sec |
D495 |
75 |
吸水率(24h) | 重量% |
D570 |
0.06~0.12 |
燃焼性 | mm/min |
D635 |
自己消化性 |
耐酸・耐アルカリ性 |
|
D543 |
侵されない |
耐溶剤性 |
|
D543 |
芳香族、塩素化炭化水素に膨潤、または溶解 |
【引用資料】「プラスチック読本」(2014)プラスチックス・エージ発行
- PPEとノリル、m-PPEって同じものですか?
- 変性ポリフェニレンエーテル(modified-Polyphenyleneether-m-PPE)はポリフェニレンエーテル (PPE) を主成分とした、熱可塑性樹脂に属する合成樹脂ポリマーアロイの総称です。ポリマーアロイとは金属でいうところの合金のようなもので、PPEは専らポリマーアロイとして使用することが多いので、名前の頭に変性(modified)とつけています。ノリルは米ゼネラルエレクトリック社の商標名で、ポリスチレン(PS)とPPEのポリマーアロイになります。前述のとおり、PPEは主に非変性PPE樹脂の主原料として使われるため、単独でPPEという名称での最終製品はあまり流通していません。
- 変性PPEと変性PPOは違うものですか?
- m-PPOもm-PPEも同じものです。最初に実用化に成功した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社は変性ポリフェニレンオキサイド(または変性ポリフェニレンオキシド、modified-Polyphenyleneoxide-m-PPO)と呼んでいるのですが、発明された時には既に2-6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテルの登録商標として名称PPOが使用されていたため、厳密には一般名は m-PPE が正しいそうです。
- m-PPEの原材料商品名を教えてください。
- ザイロン【旭化成ケミカルズ(株)】
ノリル、ノリルGTX、ノリルPPX【SABICイノベーティブプラスチックスジャパン】
ベストラン【ダイセル・エボニック(株)】
ユピエース、レマロイ【三菱エンジニアリングプラスチックス(株)】
※上記全て弊社で取り扱っているわけではありません。
- BMWにm-PPEが使用されていると聞きましたが本当ですか?
- BMW6シリーズのフェンダーに変性PPE/PAアロイ(Noryl GTX)が採用されています。採用された理由は、広範な薬品に耐性があること、剛性があり、高い耐衝撃度と優れた耐熱性能、重量が軽いことだそうです。現在、プラスチックはBMW車の重量の約13%を占めているそうですが、今後5年間でこの割合が約18%になると見込んでいるそうです。